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街のエリートヤンキー、Fラン大学出身エリートも飛び出す

人生(LIFE)
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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 朝起きると、しばしばむなしさが襲います。私たちが生きている世界は、無数にある小宇宙の一つにすぎないと感じるからです。 2022年ごろ、10年ぶりにメインのMacを買い直しました。その高解像度のスクリーンを通して、自分が属する小宇宙を見つめ直したかったのです。数十万円という予算をかけたのは、ただの道具以上の何かを求めていたからでした。

 私たちの世界は、さまざまな小宇宙によって構成されています。これらの小宇宙の中で私たちは結束します。トップに気に入られることは、その小宇宙での成功を手にした「エリート」。難関大学をパスした人たちだけを指すのが「エリート」と限りません。東京大学に通う学生、組織のトップ、左翼や右翼団体のリーダー、宗教団体の指導者…みな、それぞれの小宇宙で「エリート」と呼ばれる存在です。

 私たちはしばしば、自分が属する小宇宙が全てだと錯覚します。

「エリート」から転落する瞬間、私たちは自分が小宇宙の一部に属していたこと、そして新たな選択をする必要があることに気づきます。自由もあれば、不安もあります。変化という名のもとに、生き延びるための不可欠な決断が生じるのです。

 適切な場所を見いださなければ、自己消滅に向かうこともあります。左翼から右翼への「転向」や、会社間の「転職」などは、別の小宇宙への引越の一例です。

 私がMacのスクリーンを見つめるとき、自分の属する小宇宙を越えて、新たな可能性に思いを馳せます。過去に行ったことは変えられませんが、これからの予定はいつでも変更できますから。

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