哲学

シモーヌ・ヴェイユの美について

随想
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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イラスト:モクソン

 美しいものに神々しさを感じることがあります。美しいものの中には、神のような神秘的な何かが現れているのでしょうか。哲学者のシモーヌ・ヴェイユにとって、美とは神の受肉(神が物質的な形で姿を現すこと)に近い存在であり、美は神の存在を示すしるしと捉えているようです。

「美しいものは、受肉がありうるという体験上の証拠になるのだ」(シモーヌ・ヴェイユ「重力と恩寵」p244 ちくま文庫)

 美しいものに触れて、私たちは神が物質的な形で姿を現すことができるという可能性を感じ取り、このような美の体験は神の存在など、神秘性への信念を強めるのかもしれません。

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