美しいものに神々しさを感じることがあります。美しいものの中には、神のような神秘的な何かが現れているのでしょうか。哲学者のシモーヌ・ヴェイユにとって、美とは神の受肉(神が物質的な形で姿を現すこと)に近い存在であり、美は神の存在を示すしるしと捉えているようです。
「美しいものは、受肉がありうるという体験上の証拠になるのだ」(シモーヌ・ヴェイユ「重力と恩寵」p244 ちくま文庫)
美しいものに触れて、私たちは神が物質的な形で姿を現すことができるという可能性を感じ取り、このような美の体験は神の存在など、神秘性への信念を強めるのかもしれません。