音楽

ドナルド・トランプ、ボヘミアン・ラプソディを熱唱

学びと読書
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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イラスト=筆者

 1970~80年代に活躍した英国のロックバンド・クイーン。米大統領ドナルド・トランプとは、深い因縁があるようです。

 クイーンはトランプ氏に、楽曲の無断使用についてたびたび抗議。2016年の共和党全国大会では「We Are The Champions」を、19年の大統領選キャンペーンでは「We Will Rock You」を無断使用されたとして抗議しています。

 ところがどこ吹く風と、トランプ氏はYouTubeで「Bohemian Rhapsody」を熱唱しています。しかし、歌っているのは本人ですが本人でありません。どういうことかというと、Maestro Ziikosというアーティストによる作品で、トランプ氏の演説を細かくつなぎ合わせて作られたもの。

 ロシアのプーチン大統領はピアノを奏で、トランプ氏にこう歌わせています。

Mama, just killed a man.(母ちゃん 俺、人を殺しちゃったよ)

Put a gun against his head. (やつの頭に銃を向けて)

Pulled my trigger, now he’s dead.(引き金を引いたら 死んじゃったよ)

 クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーが歌うと「古い自分を葬りさり、あるがままの自分として生きていく……」のように前向きな解釈もできます。ところが、トランプ氏が歌うと文字どおりの内容に聞こえてしまい複雑な気分になってしまいます。

 なお、同曲においてバラク・オバマ前米大統領にはこう歌わせています。

But I’m just a poor boy and nobody loves me.(ところで私は誰からも愛されない、ただの貧しい少年)

He’s just a poor boy from a poor family.(彼は貧しい家に生まれた少年だ)

Spare him his life from this monstrosity.(彼に醜い経験をせずに済むようしてやれよ)

 憐れみをかけているオバマ氏。この憐れみこそは米国内の分断に拍車を掛けるトランプ氏に足りないものかもしれません。

 トランプ氏はアーティストたちのおもちゃになっているようです。中国や北朝鮮でこんなことをしたら大変……。

 

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