App Storeから消えた“RipIt”

技術
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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RipIt1.6.6が、MacUpdateでセール中です。RipItとは何かというと、DVDをハードディスクにリッピングするソフトです。かつて、App Storeでも販売されていたこともあったようです。しかし、「改正著作権法」(違法ダウンロード刑罰化・2012年10月1日)以後、App Storeだけでなく、国内販売自体がされていないようです。
「RipIt」でネット検索すると、「Mac用最強リッピングツール」とも言われていたようです。
「最強」のアプリが、どうしてApp Storeから消えてしまったのでしょう。あらためて「改正著作権法」を、おさらいしてみます。ウェブサイト「週刊アスキーPLUS」(2012年10月01日10時00分)の記事では、以下のように要約しています。

 視聴を特定の機器に限定するための、“暗号化”によるアクセスガードを解除して複製を行なう事も違法となったのです。その結果、DVDの私的リッピングも違法となりました。
[「週間アスキー」始まる違法ダウンロード刑罰化とDRM回避規制 (第1回)私的リッピングも違法!? いよいよ改正著作権法が一部施行: http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/110/110332/]

 DiscのデータをPCに取り込む作業を「リッピング」と呼び、「コピー」とは区別されます。リッピングしたCDの音楽データーは、iTunesからiPhoneに同期をされ、多くの人々に利用されていることでしょう。アクセスガードがかかっていない音楽データーなら、このようなリッピングは違法でありません。
「保護技術を回避しない私的目的の純粋なリッピングであれば適法」との解釈もあります。RipItを所有すること自体が違法ではなく、このアプリで何をするかが問われるのでしょう。アクセスガードがかかっているCD・DVDの場合、リッピングは私的であっても違法です。
コンプライアンスに関わる、取り扱いが難しいアプリのようです。

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