「Crazy for you」でつながるスロウダイヴとウルリッヒ・シュナウス

レビュー
木村 邦彦

法政大学文学部哲学科卒。記者、編集者。歴史、IT、金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味はエアギターと絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。執筆のご依頼募集中。

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スロウダイヴのRachel Goswell(Illustration by kimukuni)

 「Crazy for you」という曲は耽美的ですのに、律動的。毒が抜けてゆくような、明るい気持ちになってきます。

 https://www.youtube.com/watch?v=rhWOPGSFz-E

 はじめて聴いたのはアルバム『Far Away Trains Passing By』(2001年)で。エレクトロニカの名手でありますウルリッヒ・シュナウス(Ulrich Schnauss)のオリジナル曲だと思い込んでいました。

 

 実際には、これはカバー曲です。オリジナルはスロウダイヴ (Slowdive) によって1995年に発表されています。このスロウダイヴは、イングランドのオルタナティヴ・ロックバンドでシューゲイザーのホープでした。

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 1995年といえば、私はまだ大学生です。あまりにも貧乏学生だったため、当時はスロウダイヴを知りませんでした。

 エレクトロニカは、たいてい1人か2人で作られる電子音楽です。一方、シューゲーザーはバンドによるロック。この「Crazy for you」を通して、エレクトロニカとシューゲイザーの親和性と言いましょうか、相性の良さがあるようです。ウルリッヒ・シュナウス作品を印象づけます印象的なリバーブ(残響音)にしましても、シューゲイザーたちの影響を感じてきます。

 スロウダイヴのサウンドは荒削り。でも、それがかえって若さを感じさせます。時に、歌詞が聞き取れないほど過剰に深いリバーブは、より深い瞑想(めいそう)に導いてくれます。

 https://youtu.be/F2YJbTrxeos

 Slowdive – Crazy For You

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